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ラ・サール中算数(60分・100点)
算数の手書きは、今年も健在です。
[1]計算
(1)計算の工夫、(2)計算、(3)逆算。
(1)は分配法則を使っていくと最終的に掛け算1つだけで表せるが、掛け算2つの和の段階でも十分計算する気力が起こる形になる。
(2)(3)は普通の計算。
[2]小問集合
(1)は平行線と二等辺三角形を利用して解く基本的な角度。
(2)は点数分布表から鶴亀算に持ち込む超典型題。
(3)は頻出の分数問題だが「1/5を足しても」に注意。
(4)はただの逆比なので小問集合で実は一番簡単かも?
[3]速さ
出発地も時間も違う歩行者と車の追い越し問題。
ダイヤグラムを書いて、P君が1320m進むのに何分かかるかを考えることになるだろうか。
なお、ダイヤグラムで相似を駆使する方針をとった場合、方法によっては(2)が先に求まる。
[4]面積比
正三角形と長方形を組み合わせた図形を分割した面積の考察。
全体の面積を24とでもおいて、底辺比と面積比、高さ比と面積比に着目して面積を書き込んでいけばよい。
(1)(2)(3)はゆるーく繋がっており、その出題意図に気付くとすんなりと解ける。
(3)は等積変形に着目する別解はないか?と探ってみたものの、今のところ発見できていない。
[5]立体の切断
立方体から直方体を取り除いた立体を切断する問題。
(1)が解けなかったら中学受験で勝負にならない。
(2)でいよいよ切断にかかるが、もとの立方体だと三角柱2つに等分割する親切?設計なので、「取り除いた直方体」がどう切断されるかを想像すればOK。
ラ・サールの立体切断は難しいことがあるが、今回の問題はきちっと作図すれば解ける。逆に言えば、立体切断の演習を疎かにしていた受験生には解けない。
ラ・サールの立体切断では必ず「角すいの体積は(底面積)×(高さ)÷3です」の注釈があるのが今年はなかったため、切断後の立体が柱体の組み合わせであることを察した受験生も多数存在した?
[6]規則性(桁ばらし)/場合の数
12345678910111213…と続く数列に「2021」の並びを見つける。
いわゆる「桁ばらし」という中学入試で使い古された題材であるものの、問われ方がなかなか新鮮である。
つまり、4桁の整数「2021」はもちろん、「1202 1203」のように、2つの整数にまたがって存在する並びも考察する必要がある。
桁ばらしで2つの整数にまたがって存在する数字の並びを考察する問題は、例えば算数オリンピック2008予選[9]があるが、これは3桁まででとどまっていたのに対し、今回の問題は5桁まで考える必要があるので、より厄介ともいえる。
私事であるが、桁ばらし問題で2つの整数にまたがって存在する数字の並びを考察する問題は、これまで授業では「おまけ問題」として意欲的な生徒限定でチャレンジしてもらっていたが、この問題をきっかけに、全員演習用としてレギュラー化させる必要がありそうだ…。
この問題は、他の中学校にも波及していく可能性があるだろう。
昨年2020年のラ・サール中算数は秀逸な出題バランスだったが、2021年はさらにそれに磨きをかけた感じとなっており、非常に学習効果の高いものとなっている。
今年は小問集合に足止めとなる問題はなく、取り組みにくい問題は最終問題に配置されているため、算数の実力差がかなり現れるセットであったと思う。
ラ・サール算数では立体切断・場合の数・移動系問題は難問となる場合があるので、これらの分野に関しては難しい問題も含めて別途対策が必要であろう。
近年は最終問題が立体の切断とは限らないため、問題順に惑わされることなく、満遍なく練習を積み重ねることが求められる。
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