こ
の
先
ネ
タ
バ
レ
O
K
?
愛光中算数(60分・120点)
[1]小問集合
(1)計算、(2)逆算
途中計算ではやや不安な数になるが答えはすっきりした値。
ただ(2)の途中式の不安度はいつになくマイルド。
(3)過不足算
ナシの個数の3倍あるリンゴを配った時の過不足を考える。
設定自体は過不足算によくあるひねりだが、子供の人数が少なすぎて不安?
(4)平均算/消去算
4人の算数テストの平均に関する問題。
よくある設定の問題につき、A~Dの合計点を表にまとめればOK。
なお、解き方次第では後半の答えが先に求まる。
(5)植木算(テープ算)
合同な扇形24枚を少しずつずらして円や扇形を作る。
前半は2007年愛光[1](6)のリメイク版だが、後半は重なりの個数の規則が前半とは微妙に違ってくることに注意。
ここは注意力で意外と差がついたかもしれない。
(6)場合の数
サイコロを3回振って出た目の最小公倍数や最大公約数を考える。
最小公倍数10は、組み合わせを考えてからの並べ替え。
最大公約数2は、組み合わせを考えて解くこともできなくはないが、偶数の選び方全体から条件を満たさないものを引くのが近道。
(7)通過算
長さや速さの異なる列車の追いつきやすれ違い。
決して難しくはないが「先頭が最後尾に追いついてから先頭が並ぶ」の意味を勘違いしないように!
(8)転がし移動/面積
複合図形の外側を転がる円の軌跡、そして工夫が必要な求積。
前半は直線と曲線の境目に気を付けて転がりの様子を作図する、いわば高知学芸中っぽい問題。
後半は複合図形の内部にある図形の面積を工夫して求める、土佐中に類題が出たこともある問題。
なお、前半と後半には直接の繋がりはない。
(9)論理(倍数判定法)
2~6を並べて条件に合った倍数を作り出す。
2013年愛光[1](8)のリメイクか。すぐに確定するのはCのみで、全体が確定するのは7の倍数まで待たねばならず試験場では焦りそうだが、それでも高々6個の4桁の整数を7で割るだけなので、ここは辛抱して検証したいところ。
[2]倍数変化算
可動性の仕切りをつけた水槽に同じ量の水を入れる問題。
水の量が同じなら高さは底面積の逆比とか、仕切りを動かしても横の長さの和は一定といった、比に関する重要要素が詰め込まれている。
なお、この設問は2016年神戸女学院の数値換えである。
[3]鶴亀算
パック詰めの3種類の果物を買った値段の考察。
(1)は1個あたりの値段を求めると、みかんと柿の特殊性に気付いて、鶴亀算に持っていける。
(2)は2パターンのいもづる算を検証しても良いが、個数に関する面積図2つを重ねたときの違いに着目すると、パックの差が鮮やかに求まる。
今年度の愛光算数の中で唯一?発想力勝負の設問か。
[4]速さの問題
A君とB君が坂道のある通学路を進むときの時間差の考察。
(1)~(3)はいずれも「時間差は坂道でついた」ことがポイント。
(1)は時間差が直接分かっているので典型的だが、(2)は時間が比で与えられているぶん、やや厄介。
(3)は(1)(2)を踏まえて直接距離を求めても良いが、やはり坂道だけで時間差を考えればだいぶ計算が楽である。
今回の愛光中算数は、サービス問題はないものの、1枚目前半に地雷的な問題はなく、そして1問1問が例年より少しずつマイルドな難易度になっており、算数が得意な受験生にとっては例年になく高得点を稼ぐチャンスになったはずだ。
2022年度に関しては例年より比と割合に関する文章題が少なめであったが、それでもこの分野の対策が最優先で取り組むべきだ。
個人的に、これまでの愛光では目にすることがほとんどなかった「過去問リメイク」が1.5問あったのが気になった。今後もこの傾向は続くのだろうか?
PR