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タ
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土佐中理科は、出題分野のバランスに偏りがあることが多いが、今年はどうか?
★理科…試験時間60分
[1]てこと電磁石
てこに電磁石を組み合わせたつりあい計算。
かなりの長文で、しかも巻き数を変えたり電磁石の位置を変えたりと、入り組んだ内容になっている。
設定の意味さえわかれば(またはH13土佐中orH18愛光中などの類題を解いたことがあれば)難しくはないものの、そうでなければ条件を読み取るのも一苦労、といったところか。
土佐中では珍しい、物理分野での本格的な応用問題である。(こう書くと意外と思われるかもしれないが、土佐中の物理分野で難しい問題はほとんど出たことがない)
ここは合否を分ける大問として十分機能したと思われる。
なお、問5は棒の重さに注意!(私は最初すっかり見逃してしまってたorz)
[2]水溶液の性質
4種類の水溶液の知識問題と中和に関する計算問題。
土佐中のこの手の計算は難問率が高く要注意であるが、今年は易しい(とはいえ、中和した量と残った量に分ける必要があり多少手間はかかるが)。
土佐中受験生の平均レベルと比較してかなり易しくはあるものの、水溶液の分類を1か所でも誤ってしまうと、以後の設問で連鎖的に間違えまくってしまう土佐独特の設定になっているため、注意を要する。
[3]顕微鏡の扱い
メダカや顕微鏡に関する基礎知識を問う問題。
おおむね基本的であるものの、問3の顕微鏡の使い分けのみ、受験生の頭を悩ませたのではないだろうか?
厚みがあるものを低倍率で立体的に観察したい場合は双眼実体顕微鏡、というのが目安か。それでも(3)は悩ましいが…。
なお、今年の高知県主要3校ではすべて、理科で顕微鏡の問題が出題された。
[4]地層
地層のできかたや雨量を実験で確かめる問題。
大地の変化に関する問題は、小問集合としてH16地層スケッチ、H10岩石の種類を問われている程度しか出題されておらず、本格的な大問となるとH9[2]流水の働きまでさかのぼる必要があり、地層に限定すると実にH2[4]以来の出題であるようだ(土佐中理科の地学分野は、星の動きなど天体分野が圧倒的に多い)
この大問で唯一解きにくいのは、問4雨量の計算。底面積の異なる2つの円柱の計算をする必要があり、これはH16愛光中など類題の経験がないと正解できなかっただろう。しかしここ以外ではなるだけ間違えないようにしたい。
今年の土佐中理科は、地学分野を含めてバランスよく出題されていた。理科の実力を入試で見極めるのであれば、4分野からバランスよく出題するのが妥当であろう。
今年は化学分野の計算は易しく、生物分野も新傾向ではなく標準的内容であった。
[1]のてこは合否を決める大きなポイントになったと思われる。
今年の土佐中理科は、例年の傾向からやや外れていたように思うが、難問はそれほど多くはなく、試験時間も十二分に長いため、受験生は戸惑うことなく試験に臨むことができたと思う。
化学分野の計算は引き続き難問が出題されることを意識しつつ、
てこや電流の計算も今後は少しハイレベルなものにまで練習したほうがいいと考えられる。
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