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【2024/11/23 22:45 】 |
入試感想~H27土佐中算数
さてさて、H27(2015年)の土佐中算数にも着手してみるよ。


















土佐中算数の配点は、AとBの合計で150点である。
ABそれぞれ75点という表現でない以上、AとBの配点は平等とは限らないと考えるべきだろう。

★算数A…試験時間45分
[1]小問集合
(1)計算の工夫
 インド式算数で有名な面積図を書けば暗算で解けるが、この程度の数値なら細かいこと考えず普通に計算した方が早い。
(2)差集め算+植木算
 池の周りに木を植えるときの本数差をもとに考える超典型題。
(3)仕事算
 これもごく普通の仕事算であり、間違えてはいけない。
(4)時計算
 長針と短針のなす角が90度になるときを求める、基本問題。
(5)面積
 正方形と大小5つの円を組み合わせたやや複雑な形だが、等積移動して簡単な形に変える超頻出なタイプのため、手堅く正解したいところ。
(6)倍数変化算+集合算
 カードの色と記号の比について考察する問題。
 表に条件整理したのち、倍数変化算に持ち込む必要がある。平均層で差がつく問題ではないだろうか。
(7)図形の移動
 正方形が四分円弧を通過する部分の面積を求める。
 かなり昔の麻布中学の問題を連想させる問題である。
 正確に作図できたとしても、面積を求めるには工夫が必須である。正解率はかなり低いだろう。

[2]通過算
 列車のすれ違いや通過時間などの条件から、駅のホームの長さを求める問題。
 列車P・列車Q・ホーム・花子といろいろなものが登場するが、本質に関わるのは列車Pとホームのみである。
 見た目は複雑そうだが、的確に条件を読み取ることさえできれば、易しい問題である。

[3]立体図形(水槽)
 水を入れた四角柱の容器を傾ける問題。
 水槽問題自体は、土佐中では頻出である。
 (1)は相似で解くのが基本だが、水深の条件が特殊であるため、相似を使わなくても解けなくはない。
 (2)は、正面から見た図から面積比を考える定番の方法ではあるが、県内入試対策としてはあまり盛んに取り組んでいない受験生が多かったか?

[4]場合の数
 おもり8個で天秤をつり合わせる問題。
 (1)はおもり8個すべて使うので、皿にのせる重さの和がわかって攻略できる。
 一方で(2)は、使うおもりは3×2=6個であり、しかもおもりの種類に制限があり、めくるめく場合分けが必要になってくる。
 楽に数え上げる方法もないようなので、この問題は捨てて、他の問題をきっちりと正解する作戦に徹するべきだろう。


★算数B…試験時間45分
[1]小問集合
(1)逆算
 ごく普通の逆算だが、小数と分数の混合計算である。
(2)角度
 ●と×の角度の和を求めれば解ける、普通の角度の問題。
(3)比の問題
 3人がお菓子を詰めるときの残りの個数に関する問題。
 どこにも条件が書いてないが、恐らくそれぞれ一定の速さでお菓子を詰めるのだろう(でないと答えが出ない)。
 ただの連比の問題であるが、算数が苦手ならば200+100=300個、と答えてしまうんだろうな…。
(4)不定方程式
 7/13-(ア/31+イ/5)=214/2015を満たすようにする問題。
 2年連続で、西暦と日付を使った問題が登場した。
 2015で通分すれば、不定方程式であることに気付くだろう。しかも5の倍数が登場しているので1の位がだいぶ絞れる。
(5)面積
 正六角形の中にある正六角形の面積を求める問題。
 正六角形とくれば、分割して考えるのは超定番である。
(6)倍数変化算/条件整理
 昨年と今年の男子生徒と女子生徒の人数変動に関する問題。
 「男子と女子の人数の差の増減率」など、条件の与え方がいやらしいので、解くのはなかなかにしんどい。
 今年と昨年の何らかの値を揃えて、倍数変化算に持ち込めば、どうにか解ける。
 ただしそれはちょっと気付きにくいかもなので、「今年の男子は昨年より5%減」の条件から、昨年の男子は20の倍数であることを利用して手早く調べ上げた方が実戦的かも。
 そもそも、この問題はいわゆる「地雷」であろう。

[2]立体の切断
 立方体を積み重ねて作った立体を切断する問題。
 「な、なんだとっ 高知県内で立体切断だと?!」と身構えたが、底面に対して垂直な面で切るので、相似の知識さえあればOK。
 しかし、それでも高知県内受験生にとっては図形の見方がちょっと酷な気がする。正解率はかなり低いだろう。

[3]分数列
 1/1,1/2,2/1,1/3,2/2,3/1,1/4,2/3,3/2,4/1,1/5,…と分数を並べる問題。
 1/Nの分数を第N群の開始と見ることで、三角数が発見できて、(1)(2)は解決。
 (3)は、和ではなく積ということで一瞬びっくりするかもしれないが、群の積は必ず1になることに気をつければ解ける。
 この大問の出来が合否を分ける大きな要因になったのではないかと予想。

[4]売買算/不定方程式
 ジャージとTシャツを同じ数だけ売ったときの利益に関する問題。
 (1)は、特別価格1つずつと通常価格2つずつをセットにして売る発想などで解決。
 一方で、(2)はさらに価格がある範囲に設定された「セット価格」なるものが導入され、利益の減少量からその価格を求める問題。いわゆる不定方程式である。
 (1)は解けないことはないレベルだが、(2)は条件が入り組んでおり、利益の変動する部分だけに着目できたとしても、計算が少し面倒である。


今年の土佐中算数は、特にB問題は点数が取りにくいように感じた。
それは、問題が難しいというよりも、計算がややこしかったり条件整理に手間がかかるといった面が大きい。
プチオリジナル問題や、ちょっとした工夫で解きやすくなる、と言った問題も例年より少なかったように思う。
(高知県外の入試からの直輸入問題が増加傾向とみるべきか?)
今年の傾向変化に臆することなく、図形問題を中心にちょっとした工夫が必要な問題(難問過ぎるのはNG)に数多く当たって、ちょっとした応用問題の本質を見抜けるように訓練しておこう。
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【2015/02/20 01:59 】 | 中学入試-四国内 | 有り難いご意見(0)
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