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★算数第1日…100点(試験時間60分?)
部分点なしの答えのみ採点の小問集合。
例年であれば大問13、昨年は大問11だったが今年はどうか。
[1]逆算
2015=5×13×31を知っていると有利だが、知らなくても解ける。
[2]相当算
材料を2種類の割合で混ぜて製品を作る問題。
いわゆる買い物間違いの設定になっているが、その設定を利用するまでもなく、普通に計算していけばよい。
[3]場合の数・倍数
2桁の整数と数の並びを逆順にした整数の積を12の倍数にする問題。
12=3×4に着目して、各位の和が3の倍数になるものを書き出せばよい。
66を見落とさなかったか、処理間違いしなかったかどうかが全て。
[4]規則性
商品が送り込まれたり包装したりする機械の稼働時間の問題。
6秒ごとに条件整理すればOK。ただし、そのあと単純に800÷7を計算してその余りを包装すれば…とするとワナにかかる。
[5]場合の数
正方形の周上の12点を結んで三角形を作る問題。
前半は、全体から三角形にならない取り方を引くのがベストか。
後半は、斜め直角二等辺をきちんと数えられたかどうか。
[6]数の性質・規則性
N/43を小数で表したときの小数第12位と第13位の考察。
これはなかなかに頭を悩ませる、算オリレベルの問題である。
・「023255813953488372093」型(1/43から得られる)
・「976744186046511627906」型(1-1/43から得られる)
この2種類の"ダイヤル数"が本質なのか…?例えばこんな感じで。
1/43の小数部…023255813953488372093 (|023255813953488372093)
2/43の小数部…046511627906976744186 (976744186|046511627906)
3/43の小数部…069767441860465116279 (9767441860465116279|06)
4/43の小数部…093023255813953488372 (023255813953488372|093)
5/43の小数部…116279069767441860465 (9767441860465|11627906)
実際は上3桁を足していって、どこが先頭になるのかを予想したけれど、どちらの型にあてはまるか、どこで区切れるかの規則は見当たらず、それじゃ解くのに時間がかかるよなぁ…と思いつつ。
出題者の想定する解き方が気になる1問。
[7]通過算
長いトンネルに時間差で2台の列車が入るときの時間に関する問題。
条件が複雑なうえに、時間の条件の与え方がややトリッキーなので、状況図で解くのは厳しいかもしれない。
私は、ダイヤグラムを描いてみてはじめて「11秒間」「109秒間」の活用方法がわかった。
難問であり、研究され尽くしたと思われていた通過算の新たな可能性を感じる1問。
[8]角度
半径の長さは等しい、ということに気をつければあっさり解ける角度の問題。
ただし、問題図には円が描かれていないので、一瞬だけ手が止まるかも?
[9]転がし移動
扇形の周りを扇形が転がる問題。
右側にある問題図に軌跡を書き込めば、だいぶ楽に作図できる。
求積は「正三角形の面積の2倍より」の意図さえ見抜けば簡単。
[10]平面図形
60度にまつわる長さや面積比の問題。
一見すると、灘中恒例の発想重視の図形問題に思えるが、今回は平行線1本引くだけの典型題である。
[11]立体図形(展開図)
灘中で頻出の、展開図を組み立てた立体の体積を考える問題。
比較する立体が正四面体ではないのが目新しい。
[12]立体図形(影)
立方体5個を積み重ねた立体によってできる影の面積を求める問題。
灘では恒例ではあるが、影は斜めにできるので、慎重に作図する必要があるだろう。
解き方はすぐ見えても、それなりの注意力がないと正解できない問題。
灘中1日目は、処理力重視だった昨年と比較すれば、発想が要求される問題が増加した。
大問が昨年より1つ増えたことからも、処理量は昨年よりは減ったと言えるのではないだろうか。
[6][7]あたりは、更なる研究の余地がありそうである。
一方で、今年は図形に発想力重視の問題がなかった(しいて言えば[11]?)のは、少々さびしい気がする。
★算数第2日…100点(試験時間60分)
こちらは一転して、原則として式や考え方も書き残す必要がある。
[1]立体図形(水入れ)
目盛りのついた物体と水槽の水面変化に関する問題。
移動した水に着目して面積図を描けばよく、ここは3問とも落とせないだろう。
[2]割合(濃度算・倍数算)
3種類の液体を混合したときの割合に関する問題。
(1)(2)は不変量に着目すれば典型的な倍数算である。
一方で(3)は不変量がないため、Aの割合に着目した面積図などを書く必要があるだろう。
[3]場合の数
6枚のカードを取り出してその和が5で割り切れるようにする問題。
ここで「単純にすべての場合の数を5で割ればいいんじゃないの?」と思ってしまうとハマリ決定。
(2)は、(1)で2つの数の和について考えさせた意図を考えれば解ける。
しかし(3)は(1)(2)の延長と考えても場合分けがやや大変。
[4]平面図形
平行直線上に斜めに置かれた図形の長さの比に関する問題。
うーん…まるで描きかけのダイヤグラムのような妙な図形だなぁ、というのが第一印象。
(3)は、ADとウとDKで囲まれる三角形の辺の長さの比がキーポイントか。
複雑な図形からひたすら相似を見つけ出して解くしかないように思うが、どうなんだろう?(ABCが一直線上にあるということ以外に特別な事象があるのだろうか??)
[5]立体図形(切断)
立方体から直方体を取り除いてできた立体の切断問題。
直方体を取り除く前の立方体を切断した切り口はいずれも正三角形になるから、それをもとに作図すればいいだろう。
多少注意力は必要だが、点Pを通る(1)と点Qを通る(2)は作図さえできれば、面積を求めるのに苦労はいらない。
そして(3)は…2つの切り口で囲まれた立体の体積である上に、…点Pを通る面と"点R"を通る面という、「(2)の作図はなんだったんだー?!」とツッコミを入れたくなるような設定なのだ。
(1)と(2)の面で囲まれた立体の体積を求めてしまった受験生は、少なからずいると予想する…私と同じくorz
灘中2日目は、例年よりも簡単になっている印象である。
灘の平均受験層において解き方に悩むような問題はないに等しく(パワープレイで無理なのは[5](3)くらいか)、処理力重視と言えるかもしれない。
なお、今年は図形がテーマの大問が3つもあったが、灘中ではさほど珍しいことではない。
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