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【2024/11/24 04:13 】 |
入試感想~灘・H26
H26(2014年)の灘中入試の算数感想を簡単に。



















★算数第1日…100点(試験時間60分?)
部分点なしの答えのみ採点の小問集合。

[1]逆算
 今年はごく普通の、2014には無関係の計算問題?
[2]平均・論理
 5つの偶数の数の平均の条件から整数を求める。
 真ん中3つの偶数の値をうまく決めるのがポイントだが、まあ簡単だろう。
[3]旅人算
 4名が同時に出発したときの出会う地点に関する考察。
 難しくはないがややこしい。比をうまく活用して計算量を減らそう。
[4]推理(変形魔方陣)
 中実正六角形状に1~19の整数を並べて各列の和を38にする。
 空らんがすぐ埋まるのは1か所だけであり、答えを確定するには、複数の列を吟味する必要がある。
 時間があれば多くの人が解けるだろうが、解ききるのは時間的な意味でしんどいので、後回しが吉。
[5]数の性質(素因数分解)
 素数7個以上の積で表せる1000以下の整数についての考察。
 素数の個数が多いため単純にはいかず、かなりの作業量を必要とする。
 こちらも、後回しにした方がいいだろう。
[6]平面図形(面積)
 正六角形の面積を三角形6個に分割する問題。
 Gが正六角形内部の任意の点で、3箇所の面積が与えられた設定ならそこそこの問題だが、実際は2直線の交点で分割するので単純明快。
 きちんとした作図ができるかどうかだけであり、きわめて平易。
[7]平面図形(長さ)
 正五角形と円を組み合わせた図形に糸をかけた長さを求める。
 落ち着いて垂線を引いて、曲線と直線に分割できればなんてことない問題だが、[3][4][5]で時間を取られてしまった受験生は、ここで図に騙されて直線部分の長さが求まらないように見えて焦ってしまうのではないだろうか?
[8]平面図形(相似)
 台形内部の2つの三角形の面積から線分比を求める。
 △AEFを等積変形すれば、相似比で一発。あえて言うならこれが1日目では唯一の「ひらめき重視型図形問題」か?
[9]立体図形(水入れ)
 台形の容器に水を入れたときの水深に関する問題。
 台形を長方形と三角形に分割すれば、本質は倍数変化算。多少計算はややこしいが、灘の受験生であればその本質を見抜けなければならないだろう。
[10]立体図形(切断)
 四角錐を切断してできる立体の体積を求める。
 求める立体と底面が同じ三角錐と底面比を比べることができれば秒殺レベル。
[11]立体図形(回転体)
 長方形から直角二等辺三角形を切り取った形の回転体の体積。
 とても複雑な形なので、まともに計算したら超複雑なことになってしまう。
 そこで伝家の宝刀かつ諸刃の剣である「パップスギュルダン」の登場となるのか…?
 これを使えば確かに簡単に解けるが、大学2次試験で持ち出すと大幅減点となるような定理を、果たして中学入試で持ち出すべきなのか、やや疑問だ。

全体的な内容自体は例年よりかなり易しい。
そして今年の小問はたったの11問。昨年までは13問が通例、さらに遡ると15問が通例だったため、1問にかける時間が増えて楽勝モード
…に見えるが、必要とされる処理量や計算量は例年より多いため、思ったほど点数は稼げなかったかもしれない。
解くのに時間のかかる可能性が非常に高い[3]-2・[4]・[5]・[11]を後回しにして、他の問題を確実に仕上げたあと、後回しにした問題を残った時間でどれだけ仕上げることができたか…ということになりそう。


★算数第2日…100点(試験時間60分)
こちらは一転して、原則として式や考え方も書き残す必要がある。

[1]論理
 4つの数に囲まれていたらその平均を書き込んでく問題。小問数なんと5つ!
 (4)までは強引に解いても時間はかからないが、(5)はややしんどいので後回しか。

[2]旅人算
 定期的に休憩をとる2人の出会いについての問題。
 これは特にひねりもなく、発想力も必要もなく、慎重に調べて行けば解ける。平均の速さを求めようとしたり下手に工夫しようとすると、かえってハマってしまう危険性が高い。

[3]場合の数
 辺の長さが10cm×20cmの長方形のタイルをしきつめて、縦30cm、横10×Ncmの壁に敷き詰める場合の数を求める。
 一瞬、H23高知学芸の応用版で漸化式で華麗に解ける?!と思ったが、そうでもないらしい。
 横20cmごとには区切れないパターンに注意したい。答えに自信を持ちにくい問題である。

[4]場合の数
 4桁の各位の数を平方して14で割った余りをもとに新たな整数をつくる問題。
 (1)で吟味した整数を、操作後の値が「減る」「変わらない」「増加」「(桁が増えるので)論外」の4パターンに分けておくのがポイント。そうすれば(2)は楽勝、ヤマ場の(3)も華麗に解ける。
 第2日で最も発想力が問われる問題であろう。

[5]立体図形
 立方体内部にある2つの四角錐の共通部分の体積を求める。
 (1)の図の意図がわかれば(2)アの糸口がつかめ、さらに(2)イで立体を3分割して体積を求める発想にたどり着けるはずだ。

第2日の算数も、例年より易しめに感じた。
第1日と同様、論理パズルは解ききるのに時間がかかるため、特に後半は後回しにしたほうがよさそうだ。
また、速さの問題も第1日のものと同じく難しくはないが面倒問であった。速さの問題が苦手な私としては助かったけれど(

例年と比較して、問われる力と問題数が異なっている第1日算数の平均点に要注目である。
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【2014/01/20 02:03 】 | 中学入試-四国外 | 有り難いご意見(0)
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