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【2024/11/21 20:21 】 |
入試感想~R4高知学芸中算数
県内入試の算数も入手分から解いてみよう。

まずは、入試終了後即日入手できた、R4(2022年)高知学芸中から。











O
K





★算数第1日(40分・100点)

[1]計算
(1)~(4)は普通の計算、(5)は分配法則を使うがパワープレイでも正解可能な範囲。
(6)は掛け算と割り算の塊を分数の形で表すのが想定解法と思われるが、後半の塊は23で約分するのがやや気付きにくいかもしれない。
むしろ工夫を無視してパワープレイで順に計算すると割り切れて整数になるので、「余裕で合格組」「チャレンジ組」は正解できて「合格ボーダー組」は苦戦するという現象が起こっている可能性がある。

[2]数の性質(分数)
2つの分数の間にある既約分数を求める。
学芸超頻出問題だが、今年は解が1個のみで複数解問題ではない。

[3]角度(折り返し)
長方形を1回折り返した角度を求める、超典型題。

[4]差集め算
余り付き面積図を書いて求める、典型的なタイプの差集め算。

[5]覆面算/数の性質
□×□×☆=600を満たす整数の組をすべて求める。
学芸十八番の複数解問題である。
きちんと受験対策をしていれば[4]までは楽勝モードだが、ほぼすべての受験生はここで足止めを食らうことになる。
要は、600の約数のうち四角数をすべて抽出できればよいわけだが、600の約数を書き出すのは決して容易くない。
600をひたすら四角数で割っていくのは、すべて書き出せる確証が持ちにくい。
もっとも確実なのは、600を素因数分解して2乗が作れる部分に着目することだろうが、平均受験層を考えるとその発想が浮かんだのは少数であろう。

[6]立体図形(表面積)
小立方体を積み上げて作った立体の表面を赤く塗る問題。
「机と接する面は塗らない」「求めるのは塗られていない面の数」であることにまず注意。
(1)はまだしも、(2)は階段状に積み上げて作った立体なので、この手の問題を何度か演習していないと辛い。
逆に、何度か演習を繰り返していたり、またはこの手のパズルが得意な受験生は、確実に得点をゲットできただろう。

[7]場合の数
1gと2gと3gのおもりで8g以下の重さをつくる。
ぱっと見はフィボナッチやトリボナッチに見えるが、「おもりの組み合わせ」なのでそれとは異なる。
(1)は頑張って書き出して(多少工夫はできる)おくと、(2)で3gを必ず使う場合の数を書き出す際に(1)の結果を利用できるが、ここの正答率はかなり低そう。
なお、この手の問題はラ・サール中が好きそうである。(実際、2006年のラ・サールにちょっと似た問題が出ている)
作る重さを8gより重くするとどうなるか?4gのおもりを追加するとどうなるか?など、発展的要素もありそうな問題である。



★算数第2日(60分・100点)

[1]相当算
水を加えたり蒸発させたりしたときの残った水に関する問題。
逆算タイプではなく、残った水の量を異なる2つの割合で表すタイプで、1問目にしては解きにくい。

[2]点の移動
辺上を移動する2点をもとに作成する四角形の面積の考察。
(2)(3)はこの手の問題としては難易度高めであるが典型的でもある。学芸では移動系の問題が頻出なので、きちんと対策していたかどうかで差がつく。

[3]仕事算
2人が途中で交代して仕事をする問題。
[1][2]と比較すると随分解きやすい問題である。
というか、高知県上位3校を受験するなら、これは解けて当然だよね?というレベル。

[4]鶴亀算
3駅間で列車を乗り降りしたときの運賃の合計の考察。
戦略としては、B駅で降りた人を1人ずつ増やすと、乗り降りの人数と運賃の合計がそれぞれどう変化するかを考えることになる。
大昔の神戸女学院やH8愛光などで類題が出題されているが、誘導付きとはいえ、これが鶴亀算であると見抜くのはなかなか厳しいかもしれない。

[5]規則性(数表)
9 8 7 12 ←こんな感じで整数を並べていく問題。
4 3 6 11 学芸で頻出の規則性、そして左端に分かりやすく四角数が並ぶ。
1 2 5 10 ここは典型的かつ頻出題につき、手堅く正解したい。

[6]転がし移動
円を4つ組み合わせた図形の周りを円が転がる。
前半は円の中心の軌跡の作図とその長さを答える問題で、これは出題されることを前提で対策をしていた受験生も多いだろう。作図する上で特殊な点はなく、定石に従って描いていけばOK。
後半は円の回転数を答える問題で、こちらはH19以来の登場。難易度もこの時と同程度で、過去問をやり込んでくださいという学校からのメッセージとも取れる。


今回の高知学芸算数第1日は、昨年に続き2枚目の難易度が少し高めで、高得点が狙いにくくなっている。
算数第2日は、大問が難易度順には並んでおらず、問題の取捨選択がポイントであった。

学芸算数は、出題される内容がある程度固定されており、過去問リメイクが散見され、しかも県外他校でもあまり例を見ない複数解問題が特徴となっているため、過去問をやり込むことは合格に向けた対策となり得る。
作図や書き出しなどひと手間かかる問題が多いため、ミスなく粘り強く作業する力も鍛えておきたい。
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【2022/02/24 02:12 】 | 中学入試-四国内 | 有り難いご意見(0)
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