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K
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愛光中算数(60分・120点)
[1]小問集合
(1)計算、(2)逆算
途中計算ではやや不安な数になるが答えはすっきりした値。
(3)割合
消費税の税抜き価格と税込み価格を求める問題。
消費税は8%だから食品か新聞を購入したのですかね?
特にひねりはないが、税抜き価格は四捨五入の丸めが発生しているため念のための検算は必要だろう。
(4)数の性質(倍数)
3で割って2余る数から7の倍数を除いて並べる。
21ごとに区切って段組みにして検証するのが確実だが、範囲が2桁限定なので、全部書き出すつもりでもよい。
(5)相当算
ある本の読むページ数を途中で増やす問題。
ぱっと見た感じが、大きなストッパーとして機能したであろうH17[1](3)をほうふつとさせたが、それよりはずっと簡単。
最初に毎日{1}ページ読んだとして26日間で生じた実際との差を求めることになるだろうか。
決して簡単とは言えないが、愛光算数の重要テーマ「比と割合を使いこなす」に沿った問題であり、合否を決める1問になったか?
(6)時計算
短針が1日で1回転する特殊な時計に関する問題。
時計算の基礎に立ち返って、長針と短針の角速度を求めておけば、通常の時計算と同じ感覚で解ける。
しかしここは「特殊な時計問題」に慣れ親しんだかどうかで差がつきそうである。
(7)角度/場合の数
正五角形の角度と、二等辺三角形の個数の考察。
後半は、正五角形に対角線を引いた図形に二等辺三角形がいくつあるのかを数える問題で、これは対称性を駆使して場合分けしないと正解できない。
なお、後半の場合の数は20年くらい前の慶應普通部の問題と全く同じである。(詳細な年度は失念)
(8)平面図形
扇形と三角形を組み合わせた図形の面積。
前半は、半径は分からないが面積は求まる扇形の面積。近年はこの手の出題が多いので要注意。
後半は、ひと工夫を要する三角形の求積。45度問題とするか回転移動を実行する、なかなか面白い問題。
(9)数の性質?
4つの整数の2つずつの積を考察する問題。
積の6通りのうち4通りしかわかっていないのが少し厄介。
しかし方針は「2つずつの和を求める」の定石と変わらず、A×CとB×Dの値は確定することに気付けば、解決に向かう。
なお、詳しく検証していけば、270とアがどの整数の積なのかが確定し、A~Dすべての値を求めることができる。(問いではそこまで求められていないため、試験会場ではよほど余裕がない限りするべきではないが)
[2]年齢算
5人家族の年令に関する問題。
(1)は問題文の条件を順に活用していけばOK。
(2)はいわゆる不変量のない倍数算のタイプ。練習を積んでおけば難しくはない。
[3]差集め算
10円玉50円玉100円玉の表裏を向いた合計金額の考察。
未知数が6つもあるため解くのが大変だが、「硬貨を表向きや裏向きにすることで何が変化するか?」を的確に捉えることで、合計金額の差が何であるかが見えてくる。
後半の設問では、これまた愛光で頻出の「セットを作る」発想が決め手になる。
少なくとも松山会場では、正解率がかなり低かったのではないだろうか。未来の「算数最上級問題集・文章題編」に掲載されうる問題。
[4]旅人算(グラフ)
忘れ物に気付いたA君を母が追いかける問題。
与えられたグラフは、「A君と母との距離」を表しているため、時間に余裕があれば普通の「A君と母のダイヤグラム」に書き直せばよい。
条件より「出会い前後で2人の速さの和は変わらない」というのがポイント。それさえ気づけば(4)まで解き切ることも夢ではないし、気付けなければ全滅(またはわずかな部分点狙いのみ)の可能性大。
初手のポイントに気付くかどうかで差のついた大問といえる。
今年の愛光は、前半の小問集合はサービス問題は少な目であるものの序盤にストッパーはないため実力差が反映されやすかったと思われ、後半の大問は難易度の差が激しいためどこを取ってどこを捨てるかの戦略が重要であった。
相変わらず、比を中心とする文章題が多めで、図形問題は少なめであるため、「やや難しい文章題を比や面積図で解決する」能力を磨くことが、愛光算数攻略の鍵を握っている。
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