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【2024/11/21 18:27 】 |
入試感想~R5灘中算数
毎年話題になる灘中算数もいってみましょう。




























・第1日算数…満点:100点
第1日はいつものように重量級の小問集合で答えのみの採点。

[1]逆算
2023を素因数分解したことがあれば道筋が開けやすい。
西暦以外にも灘マニアでないと分からんような数字遊びが隠されているらしい。

[2]場合の数
12個の点から3個とって三角形ができない選び方。
見た目はややいかついが、特にトラップもないので単純に考えればOK。

[3]推理算
与えられた等式から必ず成立する条件を3つ選ぶ。
共有の考えを使うと実にあっさり答えがでるのでめちゃ不安になるが、それでいいらしい…。

[4]周期算
4年生レベルの周期算の問題で、高知県上位3校でも易しめレベル。
これってもしかして、本当はもっと凝った問題(例えば桁ばらしで数字4個ごとに区切るとか)だったけどややこしすぎて改題したらこうなった、というオチ…?

[5]場合の数
1~6を3グループに指示通りに分ける方法。
AとBの「大きい方の数」比較についてあることに気づけばあっさりと解けるが、素直に場合分けした方が確実に点数が取れる?

[6]旅人算
2年前に四国内で大流行?した、距離の差ダイヤグラム。
この手の問題は普通のダイヤグラムに直すのが定石だが、更にそこから少しハードルが存在しており、相似を見つけることができなければ苦戦した可能性がある。

[7]やりとり算?
4日間の為替取引における所持金推移の考察。
きちんと条件整理して3通りの場合分けをすればよい、と言えばそれまでなのだが、限られた時間で取引の規則を把握して場合分けすべき箇所を見極めるのは、作業量も含めて決して簡単ではない。
見た目以上の実際のややこしさからパスするのもありだったと思う。

[8]面積
台形内にある四角形の面積を求める。
あくまで底辺比と面積比で完結させるのか、延長して相似比と隣片比を駆使するのか、どちらがベターなんだろうか。
いずれにせよ、解き方はすぐ見えるが作業量が多く強靱な計算力の必要な問題といえる。

[9]平面図形
大円1つと小円7つを重ねたときの長さを求める。
同じ円を複数重ねたときに超頻出の正三角形の発見がすべて。

[10]平面図形
3つの正方形を重ねた図形に関する考察。
灘中1日目恒例のひらめき勝負の図形問題。
今年はかなり気づくのは大変な難しさだが、いざ気づくことができれば近年の算数入試屈指の爽快感が得られるだろう。
数学的カンに極めて長けている受験生であれば、面積の和も差も四角数になることから、変形後の完成形が予想できたかもしれない。

[11]立体図形(回転体)
複雑な図形を1回転して出来る体積。
H26の灘1日目を彷彿とさせる複雑な立体であり、解き方は誰でも見えるがミスなく処理するのは大変な問題。
パップスギュルダンに手を出すにしろ、うーんという感じ。

[12]立体図形(切断)
小立方体を積み上げて作った立方体の切断面の考察。
切断面は正六角形で、小正三角形が54個からなる…ことまでは分かっても、色分け作業に少々骨が折れる。
実は上3段だけの考察だけで済むのだが、結局6段目まで書かないとそれには気づきにくいかなと思う。
難易度はそれほどでもないが、試験場でミスなく作図できたかどうかで差が付きそうである。


・第2日算数…満点:100点
第2日もいつものように途中式も必要な大問のみからなる形式。

[1]規則性
奇数なら3を足し、偶数なら2で割っていく作業の問題。
(1)(2)は正解できないと土俵にすら上がれていない。(3)は2^N-1で調べることに目が向いたかどうか。
テーマ自体は使い古されたもので、(3)の攻略法も「簡単な数で実験」というスタンダードなものなので、ここは全問正解を目指すべき。

[2]場合の数/立体図形
インクのついた正四面体の転がし方の考察。
正四面体の転がりの考察と言えばH13第1日[15]などがあるが、今回の方がより深い考察が必要となる。
(1)(2)は調べあげてでも正解したいところ。(3)は1と2の足し算の形でいったん表してから具体的な転がし方を考えることになるだろうが、それでももれなく数えるのは易しくはないと思われる。

[3]和差の文章題
3問で10点満点のテストの人数を考察する。
集合算と鶴亀算がベースとなった条件の多い文章題ということで、どの条件を拾い上げて考える力を見るという点では、(2)までなら愛光2枚目な雰囲気もある。
しかし(3)は芋づる算に加え論理検証が必要で解くのに時間がかるため、(1)(2)までで切り上げる選択肢もアリ。

[4]平面図形
円周上を点が通る時の線分の通過範囲。
「動く線は長さと向きを変えない」ことがポイントで、両端の点の軌跡は点Bの軌跡を平行移動させたようなものとなる。
「動く線は長さと向きを変えない」ことはワナにもなっており、(2)(3)では「正六角形内部で通過しない部分」の存在を正しく見抜けるかが最大のポイント。((1)を作図してくれているのはそのヒントとなっている)
正確な作図さえできれば、灘の受験生であれば面積を求めるのはたやすい。(2)(3)を突破できたか否かは合否に大きく影響したのではないだろうか。

[5]立体図形
立方体を辺の中点を通る平面で複数回切断する。
(3)までは切断面が正六角形のもののみ。(2)(3)は点線をヒントに作図して、ここまでの3問中2問は取りたい。
(4)でさらにそれまでとは異なる方向から切断するため超複雑で、まず立体を4分割して別々に体積を求めて…
とどうにか解き終え、(4)めちゃ面倒だなぁという印象をもったところで「(3)でNを含む方の体積を求めていれば(4)は暗算で解ける」ととある方が言ってたので半信半疑で調べてみると…た、確かに…
これは気付かんかった。。(3)はまさにNを含む方の立体の体積を求める方針で解いていただけに、暗算でいける方法を自力で気付けんかったのくやしいー


本年度の灘中算数は、第1日は発想力よりも計算力と忍耐力で差がついた印象。([10]は出色の出来だが時間内にひらめくのは厳しいと思う)
第2日は全完必須の[1]を除けばどこまで取るのか(捨てるのか)が勝負になったか。
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【2023/01/19 09:50 】 | 中学入試-四国外 | 有り難いご意見(0)
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