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先
ネ
タ
バ
レ
O
K
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★理科:50点(試験時間40分)
今年は問題がB5換算で11ページあるので1ページあたり4分では間に合わず、まさに時間との闘いである。
[1]物理分野
Aは、3種類のおもりをてこでつりあわせる問題。
これが(1)からやりにくい。2つのつりあいの条件からおもりの重さの比を求めるという内容だが、消去算の発想にいかなければお手上げで、ここを落とせばここはほぼ全滅確定。
今年の理科で失敗しないためには、発想に気付いて手早く処理するか、思い切って捨てるかの2つに1つであり、Aを悩んだ挙句に後回しにした受験生は、時間切れで最後まで解き切れなかったのではないだろうか。
Bは、船が発する音の計算問題。
攻略のカギはもちろん旅人算だが、(3)は類題の経験がないと「10秒鳴らしたから答えは10秒でないの?」となりそう。
[2]地学分野
毎度おなじみ、ダイ吉君とその家族の長文問題。
今年のテーマは月。制限時間を考えると、熟読ではなく要点だけ拾い読みせねばならず、会話のオチを楽しむ余裕などない。
満月の模様や旧暦の換算など、身近だけど意外と気にしていない(かもしれない)知識とその応用が問われる内容であった。
(9)は月でばねはかりと上皿天びんを同時に使う問題で、受験生は大いに混乱しただろう。
[3]化学分野
Aは、固体の分類に関する問題。
ここは標準的な内容であり、点数を稼いでおきたい。
Bは、水溶液と金属の計算問題。
ラ・サールの化学分野の計算といえば、手数が多い割に点数が報われない傾向があるが、今回は常識の範囲内である。
(5)は、近年の難関中理科では頻出の、鶴亀算を用いる問題。
[4]生物分野
植物に関するいろいろな問題。
Aは、植物の基礎知識に関する問題で、全問正解必須。
Bは、葉の付き方の規則に関する問題。
円を五等分する図を自分で書いて考えれば楽勝。いっそのこと、フィボナッチ数列あたりに発展させても面白かったのでは?
Cは、花のつくりを決定するタンパク質に関する問題。
なんと問題の導入がまる1ページにわたり、見た目はすこぶるややこしそうだが、後半の表の読み取りが意外と単純なため、全問正解も十分可能。
ここも、八重咲きの花の品種改良に発展させても面白かったなと。
今年のラ・サール理科は、[1]Aがすこぶる取っつきにくく、ここの扱いを間違えると、見た目よりずっと簡単な[4]に着手できないまま(または時間切れ直前で焦ったまま)終了、という展開もあり得る。
今年の愛光算数のように、問題の取捨選択が明暗を分けるといえるかもしれない。(もっとも、ラ・サールの理科は試験時間を考えると、毎年必要な戦略ではある)
[1]A全般、そして[1]Bと[2]の一部以外は難しくはない(むしろそれ以外は例年より簡単)が、時間切れに泣いた受験生が例年より多そうである。難易度の割に平均点は伸びないだろう。
[4]BCは、発展させるとより面白い内容になりそうなのに、さわりの部分だけで話が終わっているのがもったいないなぁと思った。
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