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入試感想~H26土佐
H26(2014年)の土佐中入試の理系科目感想を簡単に。


















★算数…試験時間A45分&B45分
土佐中の算数はAとBをあわせて150点満点で、75点ずつとは限らない。
ABとも1枚目が小問集合、2枚目が枝問をもつ大問から構成される形式。

・算数A
[1]小問集合
(1)普通の逆算問題。
 工夫も何にも必要なし命を懸けてでも正解するべし。
(2)計算問題
 消費税が5%と8%の値段差を問う、ただの小数の掛け算問題。
 時事ネタ出すんなら、少しでもひねったものを出して欲しかった。
(3)過不足算
 ノートと鉛筆をセットにして売った時の余りから個数を求める。
 ポイントは、ノートがいわゆる基本題における人数のかわりになっているということ。土佐らしい、1ひねりきいた問題である。
(4)流水算
 超典型的な、和差算で速さを求めるタイプ。
(5)角度
 これも超典型的な、折り返しの角度問題。
(6)相似
 直角三角形の中に正方形を次々と作っていく問題。
 やはり、相似の問題として非常にありふれたものである。
 なお、この規則で正方形を次々に作ったときの正方形の周の長さの和の問題は中学数学の教材として使えそうだ。
(7)虫食い算
 算数入試日「2014年2月16日」を題材にした虫食い算。
 答えは複数ある。これは高知学芸中の大好きな複数解問題だ!
 ただ、高知学芸中と違って戦略ミスが命取りになることはなく、繰り上がりにさえ注意すれば悩むところなくすべて見つけられる。
 しかし、解くのに時間がかかるいやな問題ではある。

[2]旅人算
 出発時刻に時間差のある2人の追いつきやすれ違いの問題。
 特にひねりもなく、地道に計算するだけの問題。あえて言うなら、出会うまでに進む道のりの和に注意するくらいか。

[3]集合算/平均算
 3問のテストを行った点数分布をもとに人数を求める問題。
 まあよくある設定ですな。今年の愛光でも似た設定の問題あったし。
 (2)は平均点操作の問題で設定ごちゃごちゃだが、要は元5点と元2点だけ1点アップすることを利用すればOK。限られた制限時間では焦る作業かもしれないので、いっそのこと全部計算したほうがミスを防げるかもしれない。


・算数B
[1]小問集合
(1)逆算
 2014を使った分数問題。
 分母と分子の比が30:19であることを見抜かなければ苦戦する可能性がある。
(2)濃度算
 単なる濃度の計算問題、面積図も必要なし。
(3)倍数変化算
 不変量がなく、無理やり個数を揃えて解くタイプの倍数算。
(4)転がし移動
 四分円のまわりを円が転がる典型題。
(5)体積
 水の入った円柱におもりを沈めた時の水深についての問題。
 円柱とおもりの底面積がどちらもわかるので、単なる計算問題。
(6)角度
 二等辺三角形の各頂点から対辺に垂線を下ろした図をヒントに、角度を求めていく問題。
 しかし、与えられた2問は、ヒント図を使わないほうが実は簡単に解ける。
 これは、出題者が策に溺れてしまったのか、それともミスリードを狙ったものなのか…。

[2]数の性質/論理
 4と5と6の書かれたカードを引いて和や積の条件を満たすようにする問題。
 複数解問題もあるから、和の範囲や倍数条件からうまくカードの可能性を絞ることになるが、高知学芸中の問題のように、うまい戦略を立てないと解けないということはない。

[3]平面図形
 正方形を3枚重ねた図形の面積や周の長さを2等分する問題。
 重ねてできる7つの領域のうち3つの面積から残りの領域の面積を求めるのが(1)だが、ここができなければ残り3つの小問はすべてアウト。
 難問ではないが、平面図形についての分析力が問われる。差がつきそうな問題だが、算数が苦手であっても(2)までは取りたい。


今年の土佐中算数は比較的簡単な問題が多く、例年より算数では差がつきにくかったかもしれない。
小問集合は、A[1](7)のように解くのに時間がかかる問題はあれど、H24B[1](5)やH25B[1](4)のような足止めとなりうる発想力を問う応用問題はなかった。
大問は、Aに関しては時間さえあれば誰でも解けるレベルであったが、Bに関しては多少センスがないと解き切れないものもあった。
また、高知学芸中が好きそうな複数解問題が複数出題されていたのが目を引いた(ただし、高知学芸のように「戦略次第で作業の大幅省略が可能」なものではなかった)。

今年はB[1](6)に象徴されるように、例年になく問題の完成度が今一つであった。来年以降の挽回を期待したい。
土佐中算数の対策としては、分野の偏りが少ないので、1ひねりされた問題(難問すぎるのは不可)を相似を含めてまんべんなく演習する必要がある。


★理科…試験時間60分・100点満点
[1]てこのつりあい
重さのある太さ一様でないてこのつりあい計算。
重心の位置が特定できないのがいやらしい問題だが、支点の位置は変わらないので「図2と正反対のモーメント」を重心のモーメントとして解けばいいだろう。
それにしても、土佐中のてこは滑車を使った問題がよく出てくるなあ…。

[2]電流に関する問題
豆電球とLEDと電熱線に関する小問集合。
「LEDには+端子と-端子があって、正しくつながなければ光らない」というのは、問題としてではなく、説明文として明記するべきではないかと思う。

[3]化学総合
化学にまつわるいろいろな知識を空欄補充で問う。
その空欄の個数は、なんと20個!! 廿日市市民もびっくり!である(
おおむね易しいが、最後の「水酸化ナトリウムの保存法」のみ悩む。

[4]ものの解け方
ホウ酸と食塩の飽和水溶液に関する計算問題。
具体的な値は飽和水溶液の重さしか与えられず、しかも割り切れないので四捨五入する問題がほとんどであり、しかも溶解度表は「水50g」である。
やはり、土佐中が本気を出すと化学分野の計算は難しい。さらに計算もやや複雑で厳しい。
ところで(4)の文章は「水を蒸発させ」のところが「水の一部を気体にして取り除き」とややこしい表現になっているのは、[3]のネタバレを防ぐための措置?

[5]プランクトン
9種類のプランクトンについての知識問題。
(4)の記述問題を含めて、正解したいところ。

[6]気象
3地点の天気の移り変わりについての基本問題。
地学分野の大問は実に3年ぶりの出題である!ほっとひと安心。
特定の分野の問題がまるまる出ないというのは、もう昨年でおしまいにして欲しいですな…。

[7]蒸散
植物の蒸散をもとに様々な考察をする問題。
H23から続く、生物分野に関する独創的な大問である。
しかし今年については、その独創性が最も現れているのが「試験管の容積の求積」と、問題のテーマである蒸散とは離れた部分にある。
…ひょっとしてネタ切れなのだろうか…?


今年の土佐理科は、枚数4枚。[4][7]が解きにくく、[1]のてこも重心の位置を探そうとすると難問に見えてしまう。
捨て問というほどではないが、化学分野と生物分野の解きにくい面が両方出てきているため、平均点は高くないと思われる。
ようやく今年は地学の大問が登場したので良かったが、物理化学生物地学の各分野に配点の偏りはあれど、昨年や2年前のように特定の出題が全くないということは避けていただきたい。
そういえば、今年はヘッダ部分のフォントが明朝からゴシックにフォルムチェンジならぬフォントチェンジしてたのもちょっとした変化である。

土佐中理科の対策としては、とにかく物理と化学の計算を重点的に取り組んでおくこと。
特に化学に関しては計算が複雑な難問まで取り組んでおく必要がある。
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【2014/02/26 11:17 】 | 中学入試-四国内 | 有り難いご意見(0)
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