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H24(2012年)高知学芸算数の私的解説その2。
H24第2日[6]の問題はこちら。 ・解説 高さ方向には1列しか詰めないことを考慮すれば、立体を上から眺めれば、一辺6cmの正方形を直角三角形の内部に並べる平面図形の問題と同じである。 本当は別の戦略(詳しくは後述)で解きたかったのだが、あえなく(2)で撃沈。 そこで、幅6cmのテープを直角三角形から取っていき、そのテープから正方形をできるだけ多く取ってみる。 (1) 左下図のようにして幅6cmのテープを切り取っていく。 テープが切り取れずに残った三角形は、底面と相似な直角二等辺三角形だから、高さは幅と同じ6cm。 テープの長さは、一番長いものは30-6=24cm。以下6cmずつ短くなって18cm、12cm、6cm。 このことから、右上図のように4個、3個、2個、1個の正方形を取れる。 よって、積み木は最大で4+3+2+1=10個入る。 隙間の容積は、三角柱から立方体を取り除いて30×30÷2×6-6×6×6×10=540cm3。 (2) 前問と同様に幅6cmのテープを切り取っていく。 テープが切り取れずに残った三角形は、底面と相似な三角形だから、高さは42:28=□:6より9cm。 テープの長さは、一番長いものは42-9=33cm。以下9cmずつ短くなって24cm、15cm、6cm。 このことから、右上図のように5個、4個、2個、1個の正方形を取れる。 よって、積み木は最大で5+4+2+1=12個入る。 隙間の容積は、42×28÷2×6-6×6×6×12=936cm3。 高知県内では久しぶりの「相似を使わないと解けない問題」であった。 (1)は「三角定規」の知識で相似を回避可能だが、(2)は相似じゃないと無理…だよね? 土佐中では「相似を使わなくても解けるが、相似を使えば楽な問題」はこれまで何度かあった。 ・使えなかった戦略(別名:言い訳タイム) この問題のいやらしいところは、(2)で有名な戦略が直接は使えないこと。 その戦略とは、今年の灘の入試第2日[4]と同じものだ。 例えば、上のような三角柱の容器に、一辺6cmの立方体を同様の条件で入れていったとき、最大で何個入るのかを検証しよう。 この場合は、その戦略が使える。 もちろん、上から見て平面で考える。 まず、底面と同じ直角三角形を2つ並べて、縦150cm、横240cmの長方形をつくる。 求めたいのは、長方形の左下部分において、対角線1本に切られずにいる正方形の個数である。 下図のように、正方形は縦に150÷6=25個、横に240÷6=40個並ぶので、合計25×40=1000個ある。 その1000個のうち、長方形の対角線1本で「切られない」正方形が、左下と右上に等しい数だけあるはずである。 よって、対角線で切られる正方形の個数を求めることを考えれば、すぐに答えは求まる。 25と40の最大公約数は5なので、縦25÷5=5個、横40÷5=8個の長方形が5セットあると考える。 1セットで切られるタイルは、1+(5-1)+(8-1)=12個あるから、5セットで12×5=60個切られる。 よって、切られない正方形が1000-60=940個あるから、答えは940÷2=470個。 今年の高知学芸第2日[6](2)は、対角線を中途半端な位置から引くため、この戦略を使うのが困難となっている。 対角線と正方形の頂点が一致する点を見つけることができれば、この戦略を使うことができるのだが、それはちょっと運任せな面もある。 まだまだ研究の余地のありそうな問題だ。 (場合によっては、全国最難関中に一石を投じることになる可能性も?) PR |
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