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  • 2024.05
入試感想~R3高知学芸中算数
R3(2021年)の高知学芸中入試算数も書いてみよう。


















・学芸算数第1日(40分・100点)

[1]計算問題
昨年は逆算が1問出題されたが、本年は6問とも通常の計算。
(5)はいわゆる分配法則だが、普通に計算しても答えが出るレベル。仮にも高知県の三大進学校の一角を担うのだから、工夫しないと正解率や他の問題の解答時間に影響が出るようなものでもいいと思うのだが…?

[2]倍数
2種類の定期バスが同時に発車する時刻。
「正午以降に初めて同時に発車」なので解くのにひと手間かかる。それでも典型題なので解くべし。

[3]面積
扇形と半円を組み合わせた面積を求める、超典型題。

[4]やりとり算
やりとり後の線分図を書けばあっという間に解決する典型題。

[5]虫食い算/覆面算
「AB+AB=DBC」を満たす式をすべて求める。
学芸の十八番、複数解問題である。
Dは1、Aは5以上とすぐにわかるが、そこからは繰り上がりの有無に注意しながら調べていくことになるだろうか。

[6]相当算&集合算
中学校の部員数の昨年と今年の人数を考察する問題。
表に条件整理した上で、条件より昨年の3年生と今年の1年生の人数が等しいことを見抜けるかどうかがポイント。
学芸1日目としては解きにくい問題になるとは思う。

[7]立体図形(展開図)
方眼紙に書かれた展開図を組み立てた立体の体積を求める。
これは…面の形や個数から、試験会場では直感的にやばそうな問題と思って欲しい。
実際に組み立てると、直方体と立方体を合計3個組み合わせた、比較的単純な形にはなるものの、これを試験場で自信を持って理由付きで正解できる受験生は(学芸受験層では、いや土佐受験層であっても)相当に少ないだろう。
というわけで、高度な空間把握能力の持っている受験生以外は、深追いするべきではない問題、といえる。


・学芸算数第2日(60分・100点)

[1]条件整理
箱の中に玉を取り出したり加えたりしたときの赤玉の個数の考察。
要するに、赤を少なく取り出すほど残る赤玉は多くなり、赤を多く取り出すほど残る赤玉は少なくなるということ。
最後は15個ではなく20個取り出すにするともう少し面白く難しい問題になるが、それだと受験生はほとんど解けないか…?

[2]図形の移動(平行移動)
直角二等辺三角形と、平行移動する長方形の重なりに関する問題。
毎年のように出題される移動系問題、今年は転がし移動ではなかった!
この手の問題の定石通り、重なりの形が変わる瞬間をとらえた上で、指定された状況をある程度正確に作図する必要がある。
(3)の複数解問題も平行移動としてはありがちな設定ではあるが、それでも1回目の答えの正解率は低いだろう。

[3]倍数算
2本のひもから同じ長さを切り取り続ける問題。
必要な部分を読み取って、差一定の倍数算に持ち込めるかどうかがポイント。
昨年より開始となった、式や考え方も必要な問題。

[4]旅人算
AB間を往復する姉妹の距離の差を表すダイヤグラムに関する問題。
こちらも、普通のダイヤグラムに書き直すことができれば勝ちが確定したようなもの。
しかし、学芸受験層にとって(過去問に1題だけ類題があるとはいえ)この手の問題は演習量が少なく苦戦した受験生が多いと予想する。
それにしても、本年は距離の差ダイヤグラムが…愛光、土佐に続いて学芸よおまえもか(

[5]図形の移動(糸巻き)
正五角形に糸を巻き付けていく問題。
なんとなんと、今年の学芸は移動系の大問が2つもある!
図形移動の大問が2つあるとさすがに作業量的にヘヴィである。
カドに糸が引っ掛かると半径が変わり、糸の先がちょうど正五角形の頂点にくっついて終了という、糸巻き問題としては典型的問題ではあるが、「×3.14÷5」で計算の工夫ができたか否かで手間が大きく違ってくる。
なお、H16土佐塾中前期[2]とほぼ同じ問題である。(こちらは糸をほどいていくタイプだが、計算の工夫の仕方まで同じ)

[6]規則性(分数列)
111/1,110/2,109/3,108/4,…,1/111という分数列を考察する問題。
(1)はサービス問題でここは間違えてはいけない。
(2)は約分して整数になるものをすべて挙げる(ただし部分的に列挙してくれている)もので、ここが勝負どころか。本質は約数であることに気付けばどうにかなるが…
(3)は指定された範囲の値になる分数の個数を求める問題で、これがなかなか厄介。0.2の逆数は5であることに気が付くと少し作業が楽になるものの、ラスト1問では差がつかなかっただろう。

本年の高知学芸中算数1日目は、1枚目が易しく2枚目は問題数を減らして難易度を上げてきた。特に最後の展開図は今年の高知県内算数の難問TOP3に入るだろう。制限時間40分という短さで、展開図問題に時間を取られた受験生は致命傷を負った可能性がある。
算数2日目は、いずれも作業を要する問題であったが、無理のない範囲であるし、校風を考えると作業を要する問題や複数解問題は必要であるように思う。

高知学芸の算数は、規則性や移動系問題など、ほぼ毎年出題される内容があり、複数解問題のように、他の学校ではあまり出題例がない設定もあるため、算数の過去問をたくさん解くことで本番での点数アップが見込めるタイプの問題である。
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【2021/03/31 23:58 】 | 中学入試-四国内 | 有り難いご意見(0)
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