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入試感想~H27高知学芸算数
さぁ、本年の高知県の国私立中学入試も無事終了!

H27(2015年)の高知学芸中入試の感想を簡単に。
まずは算数から。


















★算数第1日…100点(試験時間40分)
[1]計算6問
(1)~(5)は死んでも間違えてはいけない。
(6)は、1/(N×(N+1))=1/N-1/(N+1)の部分分数分解(中学入試では「キセル算」とも呼ばれる)の工夫を用いる有名問題。
ただし、分数は4つしかないので、そのまま通分したとしても大した手間ではない。

[2]逆算
8倍した答えと80倍したときの答えの差に関する問題。
□を使った逆算の形に持って行くなどの方法が考えられる。平均受験層なら手堅く取りたい。

[3]和差算
ある月の日曜日の日付の和が58になる場合を求める。
この手の問題は、日数が4回か5回かがわからないややいやらしいケースが多いが、今回は「4回」という大ヒントが文中にある。

[4]平面図形
一周200mのトラックをつくるとき、円周部分の直径を求める。
これも言ってしまえばただの逆算だが、「上から2桁の概数」というあまりない設定に戸惑った受験生もいたかもしれない。

[5]場合の数
4枚のカード「0・1・2・3」を使って201より大きい3桁の整数を作る。
201という数に惑わされず、3桁の整数を淡々と書き並べればよい。

[6]分数の問題
2/15より大きく8/37より小さい分数についての問題。
学芸算数十八番の、複数解問題。そして分数の間にある分数を求める問題も、学芸で超頻出の内容である。
計算はやや複雑になるものの、練習を重ねて正解できるようにしておきたい。

[7]推理
四則演算をあてはめて『(12□6□3)□5=15』を成立させる。
この等式が成立する演算のあてはめ方は複数あるものの、(12-6-3)×5=15とするとアウト…「同じ記号は使わない」を見逃さずに解けただろうか?
なお、模範解答は(12×6+3)÷5=15だろうが、(12-6÷3)+5=15はカッコの意味はないものの、一応条件は満たしている。
果たして、両方とも正解扱いとなるのだろうか…?

[8]比の問題
重さが等しい3つの条件から、3つのボールの重さの比を求める。
最初の2つの条件から、2つのボールの重さの比を逆比で求められたかどうかが勝負。

[9]展開図
長方形の紙を切り取って直方体の展開図を作る問題。
「正方形の一辺の長さが4cm」という条件を、問題図に余すことなく書けたかどうかが、この問題を攻略するカギであろう。
面白い設定の要素が含まれていそうな問題だが、あんまりひねると全滅になるか…。

1日目の算数は、いつも通り易しめであるものの、[4]あたりから少しずつワナが用意されていたりで、油断すると間違えてしまう要素はある。
[1](6)のキセル算の登場は予想外。また、[2]以降に枝問がないのも意外であった。


★算数第2日…100点(試験時間60分)
[1]展開図
立方体に描かれた3本の矢印を、立方体の展開図に書き込む問題。
これは立体感覚の勝負か。立体図形が苦手ならば、立方体の頂点に記号をふって対処か。

[2]数列
1/2,1/3,2/3,1/4,2/4,3/4,1/5,2/5,3/5,…という規則で並ぶ分数列の問題。
複雑な規則性の問題の練習は、高知学芸中を受験する上で必要不可欠。
そして、2009年(H21)第1日や2005年(H17)第1日でも、分数列の和の問題が出題されているので、(市販されているものよりも古い問題も含めて)過去問演習をしなさいという学校からのメッセージと読み取れる。

[3]場合の数
円周の10等分点を結んで三角形を作る問題。(ただし回転や裏返しで重なるものは同一の図形とみなす)
(3)は、3つの整数の和が10となる場合の数に帰着できる(重複組み合わせではない)が、そこまで気付ける受験生は高知県にはそうそういない。
二等辺三角形の個数を求める(2)までは取りたい。

[4]転がし移動
正方形を4つ組み合わせた図形の外側を円が転がる問題。
(2)では、2種類の図形を転がるとき、円の中心の軌跡の差を求める設定。図形がそれほど複雑ではないので、普通に計算した方が早い。
これが複雑な図形になった場合は工夫しないといけなくなって面白くなるかな、と思った。受験生は顔面蒼白になるだろうけど(
なお、円の転がし移動は3年連続の出題。そして、この10年で転がし移動の問題は8回も登場している。さらに、点の移動の問題を含めると、この15年で15回登場し(H13は両方とも出題)、出題されていないのはH23のみである。

[5]旅人算
池の周りを2人がランニングする問題。
池の周の長さ、2人のうち1人の速さがわかっているので、残り1人の速さもすぐに求まる。
(3)はすれ違い回数を求める問題だが、問題の設定からカンで当ててしまった人も多そう。

[6]相当算
3人が同じ値段のケーキを異なる個数だけ買う問題。
ケーキ1個の値段が各人の持っている値段の何分のいくつなのかを求めるのがわかりやすい。
しかし、まともに解くと、3人の所持金の比が3桁になり、かなり不安になってしまう。
一言で言ってしまえば、比の合成と逆比を利用するだけの問題であり、配置的にも、これがトリというのは寂しい限り。


2日目の算数は、やはり1日目と比べて重たい問題が並ぶものの、一時期と比べたら随分と大人しくなったなぁと。
1問くらい、意欲的な作問を見てみたいところである。(個人的には、一時期頻出だった漸化式風問題や、うまい条件整理により割と楽に答えを求めることのできるタイプの複数解問題あたりは良かったと思う)

県内上位校の算数としては最もクセがあり、過去問で出題傾向をよく知ることが大切である。
計算力や条件整理力が問われる問題も多く、普段から丁寧な作業をするように心がけよう。

それから最後に一言…
通常の数字はCentury系フォントなのに分数の数字はTimesNewRoman系フォントで一致してないのは、見ててどうも落ち着かない。。
毎年思ってるけれど、どちらかの表記に統一していただけませんかね…?
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【2015/02/15 22:53 】 | 中学入試-四国内 | 有り難いご意見(0)
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